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版画の技法「リトグラフ」

リトグラフ(平版)は、石版画ともいい、天然石の石灰石を使用し成分の炭酸カルシウムを利用して水と油の反発作用で作品を制作する技法です。

リトグラフの歴史について
 リトグラフは1796年ドイツ人のアロイズゼネフェルダーによって発明さました。ちなみにリトグラフの「リト」はギリシヤ語の石という意味です。

 発明されて以来ゴヤ、ドラクロア等が制作を試みたが複製画という社会のイメージが強く、なかなか芸術作品として認められませんでした。

 芸術作品として認められるようになったのは多色刷りができるようになってからで、初めて画廊に出店したのはジュール・シェレからであり、ボナール、ロートレック、マネ、ピカソ、シャガール、ミロと続きました。

 日本には1860年にプロシヤ使節団によって伝えられ、明治20年〜25年(1887〜1892年)にかけて単色の石版画が流行しました。
 
 有名作家によるリトグラフの制作略歴(抜粋)
  1796−アロイズ・ゼネフェルダー リトグラフの発明
  1806−ゼネフェルダー、リトグラフ工房設立
  1810−リトグラフの多色刷りの最初の試み
  1825−ゴヤのリトグラフ「ボルドーの闘牛」
  1834−ドーミエのリトグラフ傑作「御用議会」
  1890−ボナールの最初のポスター制作
  1891−ロートレックのポスター「ムーラン・ルージュ」
  1910−ルオー、カラーリトグラフの復活に参画
  1928−マチス、「踊る女たち」シリーズ
  1944―ピカソ、リトグラフ制作
  1956―シャガール「バイブル」のリトグラフ
  1964―シャガール「屏風」12色リトグラフ制作

版画完成するまでの工程
  
 以前はリトグラフの版には石灰石を利用していました。
 最近ではほとんどが亜鉛版「ジンク版」を利用しています。
 ちなみに石灰石は天然石で、炭酸カルシウムが多く含まれているものが良質な版ができます。

  • プロセス1: 石灰石の表面を、石と水と砂と金鋼砂で研磨する
  • プロセス2: リトグラフ用のクレヨン(リトクレヨン)や油性の解墨で下絵をデッサンする
  • プロセス3: 下絵が描かれたら硝酸アラビアゴム液を塗布する。この硝酸アラビアゴム液を塗ると描かれた部分が分解し、脂肪酸を分離する。この脂肪酸と石灰石の炭酸カルシウムとが化合して、絵の部分(プロセス2で描いた部分)はインクがひきつけられ、描かれていないところは保水性になり、インクをはじく性質に変化する。<水と油の反発作用を利用したものである>
  • プロセス4: ローラーでインクを練り、できた石灰石の刷版にインクを塗る
  • プロセス5: リトグラフ用の紙をのせる。
  • プロセス6: プレス機にかけて1色ずつ刷り上げます
    つまり、色数(版の数)×枚数(エディション数分)回プレスします。
    たとえば、アーサー・バイルンの「スプリングガーデンI」は、約10色の色数を使用し、エディション数は375です。
    この場合、約10枚の版(色分)を作成し、375枚するので3750回プレス機を使用することになります。

 

 

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