|
<制作する側から見た版画>
画家や画商が版画を制作するのにいくつか理由があります。
一つは、油彩や水彩などは一点ものなので、100人の人に絵を見せたり、購入して楽しんでもらうには100枚描かなければなりませんが版画の場合、作家が版に一枚描くだけで、後は版画を刷ることによって100枚、200枚と全く同じ絵が出来あがるので何百枚も描く必要がありません。
もちろん油彩の一枚の方が、版画の一枚よりも価値は高いのですが、安価な版画の方が多くの人に広めていくのに都合の良いことはいうまでも有りません。
そして、それらによって急速に知名度もあがっていきますし、多くの人に自分の作品を認めてもらいたいという願いが叶うからです。
もう一つは、画商が作家に制作を依頼し、枚数の調整をしたり、宣伝や販売などを引き受けて制作し、商業ベースに乗せるものもあります。
以上のことなどが理由で版画が世間に出回っているのです。
皆様がよく目にするリトグラフやシルクスクリーンなどの版画は200枚、300枚と制作できますので、作家が制作した原画は多くのプロセスを経て世に出回る版画となります。
また銅版画や木版画などは作家自ら制作することが多く、制作枚数も少なく(30〜40枚)なっています。画商を通さず作家自ら売り込んでいるケースもあります。
作家の表現したものを忠実に版画で表現するには、高度なテクニックが必要とされますので、枚数の多い版画を制作する場合、ほとんどの作家が刷り職人(摺り師)と言う専門家にゆだねます。
また、出来上がった作品を売りさばく画商、あるいは出版社などのマスコミなども必要なことから、作品として世に出るまでに版画に関わる人達がふえ、皆で利益を分け合うという仕組みになります。
メールマガジン<No.007にて掲載したものです>
|